2021年3月2日
2021年3月2日、タイ国際航空チャンシン社長代理は、昨年9月14日付の中央破産裁判所の発令と再生立案者の任命に基づき、事業再生計画を公的管財人に提出したことを明らかに致しました。
昨年より続く新型コロナウイルス感染拡大により、タイ国際航空は世界中の多くの航空会社同様、大きな損失を出しており、キャッシュフロー、流動性資金ともに不足しています。したがって、今回提出した再生計画は、全面的に組織を再編し、収益性を回復させることを目的としています。弊社はタイのナショナルフラッグキャリアとして、タイ経済と観光産業の復興に重要な役割を担ってきました。タイ国際航空は、ブランディング、顧客ロイヤルティ、サービス志向の従業員、競争力のあるコスト基盤、およびアセアン地域の中心に位置する地理的優位性からその強みを引き出すことで再建を目指します。2019年、タイ国際航空は、タイ経済に合計1.2兆バーツの貢献し、それはタイの国内総生産(GDP)の7.2%、または40億米ドル相当となりました。 裁判所が再生計画を承認し、また新型コロナウイルス感染が収束した際には、タイ国際航空は新しいビジョンのもとで事業を行う準備が整います。下記の4本の柱の下、強いブランド力を持ち、質の高いフルサービスを提供する民間航空会社として、タイと世界を繋ぎ、持続可能な利益を継続的に生み出してまいります。
1.主要顧客セグメントの求める価格帯に合わせて適切に運賃を調整することで、タイ発着の旅行に選ばれる航空会社となること:
現在よりも低コストで質の高い体験をご提供できるよう、プロダクトを再設計し、運賃を細分化致します。お客様は、より安価な基本運賃を選び、各個人の意向に基づき付随的なサービスを追加購入できるように致します。(例:座席指定、手荷物許容量の追加など)
2.コマーシャルエクセレンス(データに基づいたプロセスと新たなアプローチで企業価値・製品価値を高める商業戦略)により、各便の収益性と運航業務以外からの収益の最適化:
このため、収益性の高い路線に運航を集約、顧客体験を向上させてオンライン販売を拡大するためのデジタル分野への投資、世界に通用するシステムと働き方を取り入れるため、コマーシャルチームを再構築、トレーニング致します。
3.コスト競争力を高め、アジア域内において優位性を確保:
このため、組織を再編し、適正な規模と致します。その結果、人件費は50%程度削減され、リース機材の活用や、使用機材を変更し、調達チームの再編と契約を再交渉することで第三者コストの削減を徹底致します。また、業務遂行力が競争上の優位性を持つレベルまでに磨き上げられること(オペレーショナル・エクセレンス)により、すべてのビジネスユニットが最適化されると期待されます。
4.プロセスとオペレーティングシステムの大規模な再設計を行い、市場をリードするオペレーティングおよび安全運航への取り組み
これらの柱は、タイ国際航空の広範な能力開発、組織の文化と意識を変えるための協調的な取り組み、最新の勤務システムと勤務形態の採用などを骨子とします。また再生計画達成のためのKPIとインセンティブを採用し、経営プロセスを見直します。その経営プロセスは、完璧な透明性、機能的な管理と独立性を確保するために国際的レベルの民間セクターが行っているプロセスに基づいたものとします。
タイ国際航空は改革執務室を設置し、あらゆるビジネスの可能性を見定め改革を実行するために、専任の責任者を任命致しました。改革執務室は、財務責任者から承認をうけた従業員からの提案に基づき、すでに600件以上の取り組みを開始しています。また、それぞれの取り組みには、具体的な手順と責任者を設定しています。
タイ国際航空の変革の方法は、他の航空会社やタイでの他の成功事例を含め、世界中で500以上の同様の状況で結果を出してきたことから、非常に効果的かつ健全であることが証明されています。この変革プログラムは2025年までに約10%の税引前利益(EBIT)を生み出すと予測されています。
タイ国際航空の事業更生申立てが中央破産裁判所より承認されて以来、弊社はコスト削減と収益拡大のための施策を行ってまいりました。この施策には、運航および運航以外の収入の収益の増加、従業員数の約14,000〜15,000への削減、新機材や飛行時間を考慮のうえ検討されるパイロット予備要員の最適化が含まれています。 2020年に行われた従業員削減では、主に自主的な相互離職プログラム(MSP A)により29,000人から21,000人に削減されました。 2021年の相互離職プログラム(MSP BとC)には、さらに6,000~7,000人の従業員が参加すると予想されています。
そのほかにも、航空機の種類を12機から5機に、エンジンの種類を9機から4機に減らすことでコスト削減と効率化を図り、航空機の使用時間に応じたリース料に変更するため航空機の貸主と交渉するなど、大きな効果が望める施策を実施しています。これらの取り組みは、タイ国際航空の優先課題である経費削減に大きく貢献しています。
計画書の提出後、債権者の方は公的管財人より再建計画書のコピーを受け取ることになります。ただし、国内外の債権者に対しての支払いが保留されているため、債権者集会の通知書に記載されたQRコードよりデジタルファイル形式にて全債権者に計画書のコピーを公開することになりました。こちらは、近日中に公的管財人よりお送り致します。同計画書の印刷版は、2021年3月8日以降の平日08:00~17:00の時間帯に、タイ国際航空本社ビル2内、1階の発券カウンターにてご依頼いただければ入手可能となっております。 ご依頼の承認には、本人確認書類または委任状が必要となります。 また、法務執行部の公的管財人は、集会通知書にて債権者集会の開催日をお知らせ致します。
再生立案者は、PiyasvastiAmranandとChakkritParapuntakulを計画管理者として任命することに合意致しました。 タイ国際航空はすでに大幅なコスト削減策を実施しており、今回の再生計画により、より効率的で着実な航空会社となり、最終的には黒字化を実現できると確信しています。
※上記は本社英文ニュースリリースの翻訳であり、英文リリース原文すべてを網羅するものではありません。
翻訳と英文リリースに不一致がある場合は、英文が正式リリースとして優先されます。
本社英文リリースはこちらのページ(本社サイト)をご覧ください。
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